iBeaconで気をつけている10のこと

この1年、iBeaconを使う事がとても増えました。
で、いろいろやる中で実装以外に気をつける事が多いなと思ったので溜めた知見を書いていきます。
プログラムだけじゃなくて、これからiBeacon使ってなにかやろうかなーというプランナーやディレクターやデザイナーの方々も良かったら参考にして頂ければと。

 

■1 iBeaconの選定について

初期にくらべて色々な所からビーコンモジュールも発売されてますね。
僕等も最初はApplix社が出していた単三電池型のビーコンをつかっていました(というか選択肢が少なかった)。今はACCESS社の提供するビーコンとApplix社のMyBeacon®のどちらかを使ってます。

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※右側緑のデバイスがMyBeacon®、赤い方が2代目のACCESS社ビーコンモジュール

色々試したりしてますが特にどっちのメーカが良いとかはないです。
両方とも電池タイプが色々出ているので単三電池型かボタン電池型かくらいが企画段階で考える事ですかね。値段もそれぞれ違うので、お好みで選定してもらえればと思います。

ただ、電池の持ちでいうと単三電池型の方が圧倒的に良いです。気付かれないくらい小さく置きたい場合にはボタン電池型が良いです。

 

■2 iBeacon設置時に入れる筐体を用意しよう

屋内のビーコン施策なら良いのですが、例えば僕等の実施している森のパスポートのようなアウトドア施策の場合、雨風防塵防寒対策は必須になります。
さすがにデバイス生身では置けないので筐体も制作しています。完全に隠しちゃうならば良いのですが、筐体を自分で作るのは管理や運用や体験の面から考えてよいと思います。
筐体で雨風防塵するより、中でビニール袋でモジュールを包めばある程度はカバー出来るので筐体は自由に制作してもらえればと思います。。
もし神経質な状況や過酷な環境化の実施でコストを問わないならば防塵対策がされたビーコンも販売されてますし、筐体も付いてくるものもあるのでそれでも良いと思います。

 

■3 筐体はある程度見つけやすく高い場所にも簡単に設置出来る形状に

 

で、僕等が作った筐体がこれです。
ビーコンは小型のACCESS社のモジュールで、大きさも考慮してぴったりなケースをフリスクケースを採用しました。

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上からレーザカットした木材を貼付ければ立派な筐体になります。設置もポンと置くだけで木の上に置いたり固定も出来ます。これにより現地でのビーコン設置の手間が大幅に削減されました。
現地での動作テストなどで当日時間を取られる事が多いのでこういう時間の削減は結構大きいです。

 

■4 ビーコンは地面に置くのではなく80cmくらいがおすすめ

 

ビーコンは無線電波を放つデバイスです。電波は回転楕円体の形状で広がり伝播します。この空間をフレネルゾーンと呼びます。フレネルゾーンの一部にでも障害物があれば通信距離に影響するらしいです。
一般的にフレネルゾーン半径の60%を確保できれば通信を良好に行えるといわれています。
何が言いたいかというと地面にビーコンを直置きしてしまうと下図のように電波のロスが発生します。

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森のパスポートでは万が一見つかっても大丈夫なように筐体クラフトもしていますが、やっぱりビーコンは見えないのにアプリが反応する方が体験のクオリティは高くなります。
電波も考慮して木の幹や岩の上などやや高い位置に設置して電波のロスを減らしています。自然環境化では電波が反射するものも無く、干渉も少ないので電波強度の設定が読み難いです。
逆に強度を下げたい場合などはわざと地面に置いてロスを出したりと、現地での運用で対処する事が多いです。

 

■5 電波強度最大状態での連続稼働時間を考えよう

 

僕等のやっているiBeacon関連の施策はアウトドア環境が多いです。
ある程度反応する範囲が広くがないと体感的に気持ちよくなりません。
ビーコンは大抵の場合モジュール側で電波強度の設定が出来るのですが今現在はデフォルト(中間)設定で大体7〜10M前後で反応します。これくらいであれば適当に歩き回っても大体検知する事が出来るので丁度良い感じになりました。

電波強度は上げれば上げるだけ範囲が広くなり、干渉にも耐えやすくなります。
ただデメリットとして隣接するビーコンが近すぎると両方に反応してしまったり、ビーコン側の電池の消耗が激しくなります。

中期的な運用をするならば最大にした場合の連続稼働時間は企画段階で検討しておいた方が良いですね。
全国に設置はしたけど1ヶ月で電池切れて交換、とかなるとあまり現実的ではなくなるので。

ちなみに電池が減るとビーコンの発信する電波も不安定になるのでアプリも思わぬ挙動をしたりしますのでそれも注意しましょう。

 

■6 アプリ側のビーコン検知処理は適当にしてはいけない

 

デバイスや運用方法も気をつけないといけないですがアプリ(ソフトウェア)側も考慮する事が色々あります。そもそもiBeaconはアプリ側で特定のビーコン端末からの電波をキャッチして処理をする事で成り立ってるのですが、この電波をキャッチする処理も何も考えずに動かしているといくらBLEで電力が抑えられてもスマホの電池はアメ車並みに消費されていきます。

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イベント毎にストレスなくアプリがビーコンに反応する為の受信周期を繰り返しテストして設定し、一度反応したビーコンに関してはその後一定期間、電波を無視する事で余計な処理が繰り返されないようになっています。

 

■7 これでもかというくらいアプリのテストしよう

 

当たり前なのですが、テストがとっても重要です。
ビーコンはBluetoothです。つまり2.45GHz帯の無線です。
この帯域は電子レンジとかWiFiとか色々干渉します。さらに反射とか人や遮蔽物での遮断とかで電波状態は変化します。

電波状態が変わる、という事はビーコンの設置場所を変えなくてはならない事もあります。
机上テストや開発してる建物内だけではなく、必ず実施前に限りなく実施環境に近い状態でテストすることをおすすめします。
また、電池がなくなるケースが以外と盲点で、現地に行って反応悪くなるとかもあります。
状況に応じて電池の予備も用意しておきましょう。

 

■8 AppStore申請はビデオが必須

 

Appleに申請する際、審査官はビーコンを反応させる事が出来ません。なのでちゃんと反応している状況のムービー提出を求められます。面倒くさがって提出しないと審査期間は伸びる一方なので、スマホ撮影でも良いのでちゃんと撮りましょう。

■9 バックアップ端末とバックアッププランを用意しておく

これもリアルイベント&デバイスを使う場合には当然なのですが、特に日程が限定されてるイベントなどではビーコンの不具合や電波状況の変化、アプリのバグなど想定外の事が発生します。
ビーコンを50台使う企画だったとしても実際には1.5倍くらいの台数を用意しておいた方が良いです。
その際に余剰なビーコンのUUIDをアプリ内でどう扱うかなどの設計を含めて、何かあった場合にも現地で対応出来るようなプランは必ず用意しておきましょう。

 

■10 アプリを使う人(体験する人)へのフォローをちゃんとやる

 

ビーコンはOSが古いと反応しないです。
それはアプリの対象OSなどで縛ったりも出来ますが、それ以外にもBluetoothをONにしたりアプリ起動時に出てくる通知とGPSのダイアログに「はい」を押さないと反応しない、などなどユーザに設定してもらわないと正常な体験が出来ない事があります。この辺りのフォローをちゃんとしないといざ当日になって沢山の人が参加しても「あれ、反応しない」みたいな事になるので注意しましょう。

以上がiBeaconを使った施策で気にしてきたことです。
まだ色々とやる予定なので何かあれば追加して書きます。

もっと実装によった記事は別途書くと思いますのでおまちください。

ではー。

●この記事を書いた人