Android 5.0(Lollipop)がやって来た。

lollipop
 
Google IO 2014でのAndorid L Preview発表を経て、ようやく10月17日に公式発表があった”Android 5.0″。
コードネームは発表前から”L”について様々な憶測が飛び交っていましたが”Lollipop”でしたね!
この数年ぶりのメジャーアップデートを待ち侘びた開発者達は少なくないでしょう。
 
Android 5.0のデベロッパーサイトに書かれているスローガンを見ると、”The largest and most ambitious release for Android yet!” 『Android史上最大かつ最も野心的なリリース!』と開発者としては少し不安すら抱きたくなるような挑戦的な宣告でした。
 
では、一体このAndroid5.0のアップデートで何が変更し更新されるのか?今回デベロッパーサイトやサイト情報を参考にいくつかの変更点について簡潔にまとめていきます。
  
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『Android5.0の変更点について』
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◆ Material Design
 
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Material Design : https://developer.android.com/design/material/index.html
 
もう既に耳にされている方々も多いと思いますが、最大の変更点はこのMaterial Design というUIにあります。
 
GoogleI/Oで発表があったAndroid Ware、Android Auto、Android TVと加速するInternet of Things(*1)改め、Android of Things(*2)を視野に入れクロスプラットフォームマルチデバイスを意識したGoogleが掲げる新しいデザイン総括ガイドラインとなっています。

具体的なには、フラットデザインに3DViewといわれるZ軸が加わり、ボタンやデザインパーツへView階層を付与する事ができ、タッチ操作時にもアニメーション適用できるよう変更された、全ての人が直感的に分かりやすく操作しやすいUI設計となっています。
※既にほとんどのGoogle公式アプリではMaterial Designが適応されているようです。(Gmail,GoogleMap,Google+等)
 
(*1) Internet of Things = 物質的な”モノ”へインターネットを接続しやり取りを行うという新しい概念
(*2) Android of Things = Internet of Thingsからの造語で身の回りのあらゆるものにGoogleのプラットフォームを浸透させる試み
 
◆ Android Runtimeの新仮想マシンART
 
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仮想マシンDalvikの代替として、ARTと呼ばれる新しい仮想マシンが正式に採用され、従来よりも高速かつ効率的なアプリ動作とCPU負荷によるバッテリー寿命が向上。
 
DalvikとARTの違いは、アプリ起動時に中間言語から実行可能な形式へ従来、JIT(Just In Time)という動作中にコンパイルする変換形式をとっていたのを、
AOT(Ahead of Time)という文字通りアプリ初期インストール時にコンパイルするという形式を採用することで、従来アプリ実行時にその都度行われていた変換処理が発生しなくなる為、CPU負荷が軽減されアプリ実行時の性能が向上するといわれてます。
 
◆ Bluetooth Low Energy Peripheralモードの追加
 
 
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Bluetooth Low Energy(v4.0)のPeripheralモードがサポート対象となり、従来Bluetooth機器のマスターとしてしか機能しませんでしたが、Peripheralモードをサポートしたことで、ウェラブルデバイスのようにマスターにデータをブロードキャストするスレーブとしても機能するアプリを開発できるようになり、端末データを別のAndroid搭載デバイスやPCなどにBluetooth LE経由で転送できるようになります。
 
例えば、iOSのiBeacon規格もこのPeripheralモードが利用されているので、iBeacon同様にユーザーがBeaconに近づくとクーポンなどを配信したりといった位置測位サービスの開発をすることが可能となります。
 

◆ 通知機能の強化


通知の表示スタイルがカードスタイルに変更され、端末ロック時でも画面上でメールなどの通知を表示確認する事が出来るようになりました。

従来ゲームアプリなどを起動している時に着信があった際は着信応答画面へ自動で遷移していましたが、ゲーム画面内の前面へ『ヘッドアンプ』という新しい表示形式でお知らせが表示されるようになります。
 
もちろんロック画面にどの通知を表示するかの選択設定もでき、プライバシー面も配慮されています。


◆ 通信ネットワーク機能の改善
Wi-FI接続中、Wi-Fiのエリア圏外へ移動した時、従来だとモバイル通信へ自動で切り替わる瞬間に通信が途絶える事がありましたが、今回ネットワークの切り換えがシームレスに通信が途切れる事なく切り換えわるよう改善されいます。

◆ グラフィックス機能の強化

Google I/Oで公開されたデモ映像。Unreal Engine 4 “Rivalry” Demo : Unreal Engine 4 “Rivalry” Demo — Google I/O 2014
 
 Android Extension Pack(AEP)というDirectX11同等レベルのパソコン向けグラフィックAPI提供に加え、OpenGL ES 3.1がサポート対象となり2D,3Dのグラフィックパフォーマンスが各段に向上するといわれています。
 
◆ 64bit対応
64bitアーキテクチャに対応し従来の32bitより処理速度が早く改善されるようになります。
また対応メモリも4GB以上に対応可能となります。
 
◆ カメラとビデオ機能の強化
カメラAPIが追加されています。DNGイメージ、HDR+パラメータ、シャッタースピード、ISO感度、焦点距離にアクセスできるようになり、動画ネットワークストリーミング時のビデオエンコードにH.264の利用が可能になり高画質な映像配信をすることが可能となります。
 
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『あとがき』
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“Android”。
この名前に触れたとき誰もが感じる(直訳すると)”人造人間”というインパクトあるその印象的なネーミングは世界中の多くの開発者達にとっては何処となくオープンソースでの”Internet of Thing”時代の始まりを感づかせていたのではないでしょうか。
 
冒頭でも触れましたが、OSのスローガンで”Android史上最大かつ最も野心的なリリース”と、まさにその野心は”Android of Things”という造語を産みだすほどで従来のモバイル機器対象OSから全てのデバイス機器を対象とした真のクロスプラットフォームマルチデバイスOS “Andorid 5.0 Lollipop” として産まれ変わったといえます。
 
 

●この記事を書いた人